歯科衛生士 2018年11月
8/8

小児期の萌出や歯に関する異常は自覚症状が少なく、発見が遅れてしまう場合があります。なかには後継永久歯に影響を及ぼす可能性も。まずは、小児期の歯の異常像を知り、スクリーニングを行いましょう。荒井 亮・新谷誠康 東京歯科大学小児歯科学講座・歯科医師こんなにある!小児期の歯に関する異常像先天欠如 永久歯の先天欠如(発症率:約10%、図1、2)は、乳歯の先天欠如(発症率:0.2~2.5%)に比べ多くみられます。永久歯の先天欠如の場合は、乳歯が永久歯と交換せず、乳歯を長期的に使用するので、う蝕予防管理がより重要になります。図1 先天欠如(少数歯)過剰歯 乳歯の過剰歯はまれで、永久歯の過剰歯(発症率:1~3%、図3、4)はほとんどが上顎正中部に発現します。さらに60~80%で埋伏し、永久歯の正中離開や萌出異常を引き起こす場合があります。また、萌出する過剰歯には早期に乳中切歯の歯根を吸収させる場合があり、適切な時期に抜歯を行う必要があります。図3 過剰歯(順生)図4 埋伏過剰歯(逆生)EEの後継永久歯が認められない。図2 先天欠如(多数歯)5432234554  4が先天欠如している。Aを脱落させて萌出した過剰歯。歯冠を逆に向けて埋伏している過剰歯。1歯数の異常ab65歯科衛生士 November 2018 vol.42

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る