歯科衛生士 2018年12月
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加齢にともなうリスク 高齢患者さんなら、セルフケアも考慮したい!Illustration:石山綾子 筆者が勤める歯科医院は開業して34年になり、勤務してから27年が経過しました。開業当時30代だった患者さんは60代になり、現在の来院患者さんの平均年齢は70歳を超えています。WHOの定義では65歳以上を高齢者とし、日本が超高齢社会となった今、どこの歯科医院でも高齢患者さんの割合が急速に増えているのではないでしょうか。 筆者の1日の仕事の大半はメインテナンス業務です。そのなかの約6割が高齢患者さんで、80代以上の方も多く来院されています。筋力が衰え、ブラッシングによる清掃効率が落ちたり、唾液の分泌量が減ったり、歯肉退縮により歯根面が露出し根面う蝕のリスクが高まるなど、年齢を重ねるとともに、長く健康を保っていた口腔内に変化が出てきます。 3~4ヵ月ごとのメインテナンスのたびにう蝕治療を必要とする患者さんを目の当たりにすると、「歯科衛生士として何かできることはなかったか」と自分自身に問うことになります。歯科衛生士は、変化に合わせて、時には変化を予測して指導を行っていかなければなりません。そこで今回は、高齢者の口腔内の特徴をふまえたうえで、効率的にセルフケアを行ってもらうためにはどのようにサポートしていけばいいか、考えていきたいと思います。年齢とともに、口腔内のリスクは高まる1特 集歯科衛生士 December 2018 vol.4224

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