歯科衛生士 2019年1月
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あの大人気連載が満を持して帰ってきました! 歯周病について新たに明らかになってきた情報について、Dr.天野がわかりやすく解説していきます。時代が変われば常識も変わる21世紀の続天野敦雄Atsuo AMANO大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座予防歯科学分野教授・歯科医師Illustration:寺田久美、今崎和広重要なのは、バイオフィルムの病原性 どんな病気であっても、治療の目標は病気の原因(病因)を取り除くことです。歯周病の治療の目標も病因の除去です。では、歯周病の原因は何でしょうか? 「バイオフィルム(プラーク)に棲んでいる歯周病菌」と答えたあなた、20世紀なら100点!でしたが、今では70点です。 20世紀では「老化などによりわれわれの免疫力が低下し、バイオフィルムの病原性に歯周組織が負けて歯周病になる」が常識でした。ところが、21世紀の常識は「歯周病の原因はバイオフィルムの病原性と歯周組織の抵抗性の均衡崩壊」です。これにはバイオフィルムの病原性が高まることが大きく影響しています。どういうことかご存じですか?歯周病・均衡破綻(Dysbiosis)健康・共生関係(Symbiosis)バイオフィルムの病原性バイオフィルムの病原性歯周組織の抵抗性歯周組織の抵抗性発症歯周病の発症原因歯周組織とバイオフィルムの均衡崩壊1バイオフィルムの病原性と歯周組織の抵抗性の均衡崩壊によって、歯周病が発症する。(文献1より引用)第1回歯周病はどのように発症するのか?歯周病が発症する原因については、これまで歯石、プラーク……などいろいろと言われてきました。では、21世紀の現在、何と答えるのが正解でしょうか。記念すべき連載第1回となる今回は、その最新情報についてご紹介します。歯科衛生士 January 2019 vol.4358

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