歯科衛生士 2019年2月
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スイスの歯科事情に学ぶ“世界一豊かな国”─現地在住DHがレポート─住んでいるところが霧の中に入ってしまっても、山の上の方に歩いていけば霧を抜け、雲海が見えます。いです。お隣の国ドイツに行った時は、皆自己主張が強く、女性は男性よりもさらに強く、かなりタジタジになりましたが、スイスでは日本にいるのと似たような感覚で生活しています。 もちろん日本とまったく違うこともあります。私が住んでいるところは、東京に比べると冬が2ヵ月長く、真夏はひと月しかない感じです。その年によって違いますが、秋から冬にかけては霧が出ることが多く、住宅地は霧の中。寒いし、暗くてどんよりしているので、霧の上にあるお日様を求めて山の上へ行きます。そして短い夏には皆こぞって日焼けです。自宅のお庭やアパートのベランダで、サマーベッドにビキニ姿で横になって本を読んでいる、なんて光景もよく見ます。そこに年齢は関係ありません。小さな村での生活は… 私が住んでいるところは人口6,000人の小さな村で、保守的ですが、外国人にも優しい人が多いです。村のなかを歩いていると、皆さん「グリューッツィ!」(こんにちは)と挨拶をしてくださいます。知り合いだけではなく、まだ引っ越してきたばかりの、どこからどう見てもアジア人で外国人な私にも挨拶をしてくれました。困るのは、知っている人に会った時は、この挨拶に「こんにちはミューラーさん」と名前をつけなければいけないことです。村のスーパーにお買い物へ行くと、スーパーのお客さんであり、私の患者さんでもある人達がたくさんいらしているのに、名前が思い出せないことがよくあります……。そんな時はしょうがないので、名前は言わずに、笑顔で「こんにちは。」とだけ言って、乗り切っています。 伝統的な行事やお祭りも盛んです。冬のカーニバル、春のお祭り、秋の玉ねぎ祭り、クリスマス時期のマーケットや聖ニコラウスのお祭りなど……。村のことを大切にしている方も多く、村の公園や森の整備を自治体任せにせず、自ら進んで行っているグループもあります。81歯科衛生士 February 2019 vol.43

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