歯科衛生士 2019年3月
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TOPIC食事記録を歯周治療に活かす!現場発全身の健康にもつながるアプローチ塚越芳子Yoshiko Tsukagoshiわたなべ歯科医院/ナグモ歯科クワバラクリニック[埼玉県]歯科衛生士栄養カウンセラー(認定ONP)古川慎哉Shinya Furukawa愛媛大学大学院医学系研究科疫学・予防医学講座准教授・医師illustrator:原田マサミはじめに ―食事記録から見えてくること―塚越芳子 歯科衛生士 筆者が担当患者さんに食事記録を書いていただくようになって30年になります。食事記録からは、ただ単に「何を、いつ、どのくらい食べた」という情報だけではなく、患者さんの生活リズムや家族関係、価値観などといったさまざまな情報が読み取れることがあります。また、歯周病が治りにくい理由や、う蝕の発生、う蝕の進行が止まらない理由がわかることもあります。歯周治療の予後が予測できる場合もあります。このように、食事記録には、患者さんの口腔が健康になるために私たち歯科衛生士が行うアドバイスのエッセンスになるものがたくさんあるのです。 もちろん、「何を、いつ、どのくらい食べた」という情報は重要です。私たちの身体は、食べたもの、すなわち吸収したものでできています。ですから、患者さんの食事内容が、身体を健康に維持するために必要なものなのか、あるいは健康を害するものなのかによって、口腔の健康に違いが出ることも考えられます。なぜなら、口腔も身体の一部だからです。 実際に筆者は、プラークコントロールに加え食生活を見直すことによって、口腔内にベタつきがなくなり、安心して見守れる状態になった患者さんも多く拝見しています。本稿では、筆者が行っている患者さんの食事記録を活用した食事指導についてご紹介します。歯科衛生士 March 2019 vol.4378

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