歯科衛生士 2019年5月
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PART1PART1部位ごとに押さえる! ミラー視での観察の  見落としを防ぐためのポイントは2つ 患者さんは何のために定期的に歯科医院に来院しているのでしょうか。う蝕、歯周炎などのコントロールや口腔内の検査、診断を希望されている方が多くを占めていると思います。そのためには、さまざまな方向から見落としがないようにフルマウスを観察する必要があります。 しかし、口腔内は狭く、頬粘膜や口唇の排除を行わなければ見えづらい部分が多く存在し、ミラーの使用が必須となります(図1)。“見えないから諦める”ことを繰り返すと、問題点を早期発見できず、治療が必要なほどの深いう蝕、歯根破折など大きなトラブルにつながることもあります。 実際、どれだけ姿勢を崩して口腔内をのぞきこんでも死角が存在します。この、見えない部分にこそミラーが活躍するのです。姿勢を崩すことなく、見落とさずにフルマウスを観察するための2つのポイントを押さえましょう。次ページからは、部位別に最適なポジションを具体的にみていきます。ミラー視で観察する際のポイントをお伝えするとともに、実際の部位を例にみていきたいと思います。 術者の位置は、時計の文字盤に例えられます。患者さんの頭頂部を12時の位置として、術者は7時から3時まで大きくポジションを変更することが可能です。施術部位に合わせて、口腔内をのぞきこまずに身体に負担がかからない位置を決定します。 術者のポジションに加え、患者さんのヘッドポジションを調整することで、さらに術者の負担を減らし、口腔内を観察することができます。ヘッドポジションは、正面・小さく左右・大きく左右に傾ける計5つあります。観察しにくいからといって術者が身体を傾けて口腔内をのぞきこむのではなく、患者さんのヘッドポジションを調整して視野を確保しましょう。1POINT正しいポジションのとりかた術者のポジション患者さんのヘッドポジション12時7時3時正面小さく右大きく右小さく左大きく左歯科衛生士 May 2019 vol.4374

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