歯科衛生士 2019年7月
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口腔機能発達不全症の評価と管理の概要(文献1、14を一部改変)(知識編P.30図5を再掲)原因が医科的疾患の可能性がある場合は、専門医科への紹介口腔機能発達の正常化(治癒)口腔機能発達の改善が少ないかほとんどない改善変化なし口腔機能発達不全症の評価・診断1管理計画の立案2管理計画を患者(保護者)に説明・同意3口腔機能発達不全症の管理(訓練・指導)46ヵ月後に指導・管理の中止(再開は6ヵ月後)6評価5家庭の協力は必須 指導・管理を行う前に、計画書について説明し同意を得る必要があります。 口腔機能発達不全症は自覚症状がありませんので、小児自身や保護者が治療(指導・管理)を受ける必要性について納得できる説明ができなければ、モチベーションが持てません。指導は家庭の協力がなければ進められません。現症とゴールをわかりやすく まず「口腔機能発達不全症」という疾患がどのようなものなのか、その概要がわかるものと、実際に行う指導の概要を示した資料をお渡しします。必ずしも自分で作った資料にこだわる必要はありません。書籍や雑誌の写真などを利用してもよいでしょう。 このとき、「目標はこれ」と指導のゴールを明確にするのも大事です。りっぷるくん®(松風/P.46)など、数値で客観的指標が得られるものを利用すれば、保護者にもわかりやすいです。負担に配慮する 当院では保護者に負担をかけすぎない配慮も大事にしています。「これもできたらよいだろうな」ということすべてをお願いするのではなく、「最低限ここにはかかわってほしい」ということを明確にします。また、期間については6ヵ月では長すぎて負担が重そうであれば、「3ヵ月がんばりましょう」とします。短かければがんばれることもありますから。それで成果が現れたら「もう少しがんばりましょう」でもよいと思います。同様に、到達目標も、子どもの生活を考慮して緩めに設定し、段階的にゴールを目指すのもよいでしょう。「新お口でこんな動きできるかな? ―口の適応力向上トレーニング」(藤木辰哉著、医学情報社、2016)指導概要の説明媒体当院作成のオリジナルの説明媒体と市販の資料。指導の説明には目で見てイメージが湧く写真のほうがわかりやすいので「“永久歯列期正常咬合”獲得への道」16)(P.50 BookGuideで紹介)のMFTや口腔習癖のページを多用している。また、子どもに対するアプローチの際、保護者にも取り組んでいただけるようにすると相乗効果も期待できる。この疾患のアプローチはチームプレー。全員で子育て支援をしましょう!35歯科衛生士 July 2019 vol.43

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