歯科衛生士 2019年8月
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最適な補綴治療につなげるDHワーク患者さんの条件を知り、メンテにかかわる立場から まで、歯科衛生士はどうかかわる?情報収集資料収集初診Mission治療が必要になった経緯を把握する! すべての治療において情報収集はとても重要です。歯科衛生士が行う検査からも多くの情報が得られます。生体・病態の情報、そして背景(患者さんのニーズ・リスクファクター・生活背景など)を収集します。 本特集テーマのように最終的に補綴治療が必要となる患者さんの場合は、「なぜその歯に補綴をすることになったのか」を、これまでの経緯などをさかのぼって医療面接を行い、そこに潜む原因やリスクファクターを探し出すことが大切です。先天的あるいは後天的なリスクを把握しない 正確な情報を把握するための口腔診査は必須能力です。私たち歯科衛生士は歯周組織や硬組織(う蝕、咬耗、シャイニングスポット、アブフラクション、破折、骨隆起)、軟組織(歯肉の異常、小帯付着位置、舌癖、舌・頬粘膜圧痕、口腔前庭の深さ)、唾液量、補綴物の脱落、破損など口腔内の診査だけではなく口腔外診査や咬合診査(表1)もできます。高度な臨床の展開に向け、より高度な専門的観点が必要とされます。 補綴治療においては、咬合に関与する情報をしっかり把握しておくといいでしょう。と、後々同じことが繰り返し起きる可能性があるわけですから、この情報収集はとても大切なステージです。また、「見た目を大事にする」「美意識が高い」など「どのような患者さん」なのか、最終ゴールに求めることを把握し、次の治療計画立案につなげます。リスクアセスメント 生活背景の把握 (生活リズム・職業・食事状態・現状に至った経緯)患者さんが補綴物に求めることなど要望の確認コレをCheckコレをCheck 口腔内外診査(エックス線写真読影・歯周組織検査・ 咬合診査・病態診査・プラークコントロール状況)、臨床検査口腔外診査咬合診査●顎関節症状顎関節の位置、下顎正中の偏位、開口量、開口時の疼痛、開口時の偏位、クリック音、治療時開口継続難、簡単な筋の触診●顔貌目の大きさ、口唇の傾き、鼻翼の上がり具合、口角と目の距離、頭部の偏位、咬筋の張りと左右差、下顎角の張り具合、胸鎖乳突筋の左右差、ドリコフェイス・ブレーキーフェイス●顎骨形態●口唇閉鎖不全●口呼吸●異常習癖●態癖●正中線の偏位●偏咀嚼●ブラキシズム●TCH●開口量●咬頭嵌合位での早期接触●側方運動時の咬頭干渉●フレミタスなど表1 口腔外診査と咬合診査21歯科衛生士 August 2019 vol.43

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