歯科衛生士 2019年8月
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2特 集認定歯科 知りたい!取得で“見える”キャリアアップ新井英雄 国立療養所 邑久光明園[岡山県]・歯科医師Hideo ARAI 歯科医療に対する国民のニーズが多様化しているなかで、個々の患者さんの背景をふまえ歯科疾患の病態に応じて適切に対応していくためには、臨機応変に根拠に基づいて対応できる“問題解決能力”を身につけ、歯科衛生ケアプロセス(歯科衛生過程)1,2)を実践していかなければなりません(図1)。時代のニーズに沿ったキャリア形成が可能だが、まだまだ取得者は少ない図1 歯科衛生ケアプロセス(歯科衛生過程)歯科衛生ケアプロセスとは、看護過程をもとに、主としてアメリカにおいて理論構築された概念で、歯科衛生士が科学的根拠にもとづいて臨床を行う際の土台となるもの。図の5つのステップと、それを書面化する問題解決のプロセスである。 近年、学会に所属する歯科衛生士は増加しています。また、学会にも認定歯科衛生士制度が次々と新設され、歯科衛生士に対し、より専門性の高い知識と技術の習得を要求しています3)。認定にあたっては、専門学会での学術活動・業績をベースとし、歯科医学の各専門領域に関する実務経験、それを基にした症例報告、そして試験等の審査に合格した人を「認定歯科衛生士」としています。このうち、症例報告やプレゼンテーション試験については、アセスメントに基づいて問題点を明確にして解決していく過程や、治療・取り組みに関する歯科衛生士の立場としての考え方を、学術的考察も踏まえて論理的に表現しなければなりません。これはつまり、歯科衛生ケアプロセスを実践してまとめることであり、歯科衛生士が根拠に基づく治療を実践する能力を養うのにこの上ない機会になります。 認定歯科衛生士になるのはハードルが高く感じられて、なかなか踏み込めない方もいるかもしれません。しかし、単に歯科衛生アセスメント1歯科衛生診断2歯科衛生計画3歯科衛生介入4歯科衛生評価5書面化6歯科衛生士 August 2019 vol.4338

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