歯科衛生士 2019年8月
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gingipainジンジパイン天野敦雄Atsuo AMANO大阪大学大学院歯学研究科口腔分子免疫制御学講座予防歯科学分野教授歯科医師Illustration:寺田久美図1 P. gingivalisの病原因子今回解説するのはこれ!ジンジパイン(タンパク分解酵素)歯周組織やバイオフィルムのタンパク質を強力に分解したり、歯周組織に侵入したりする。線毛(付着因子)P. gingivalisの手足としてはたらく。バイオフィルムを形成したり、歯周組織に侵入したりする。莢きょうまく膜P. gingivalisを鎧のように覆う皮膜状の構造物。菌を守るとともに、炎症反応を引き起こす。赤血球凝集素赤血球を凝集し沈殿させ、ジンジパインによる赤血球の分解を助ける。血小板凝集素止血作用をもつ血小板を凝集させ、歯周ポケットの止血を妨げる。リポ多糖(LPS)歯周組織細胞の炎症性サイトカインの産生を促進させ、歯周組織に過剰な免疫反応、炎症反応を引き起こし、歯周組織を破壊する。加水分解酵素タンパク質やペプチドを分解する(ジンジパインより活性は弱い)。69歯科衛生士 August 2019 vol.43

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