歯科衛生士 2019年9月
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安全な歯科治療の最大の敵 Part120406080痛みをともなう治療以外にも、歯科の受診はストレスだらけ!図1 歯科治療が患者に与えるストレス1)VAS(visual analogue scale)による評価。青は患者がストレスを感じた処置、赤は術者がストレスを与えたと感じた処置を示す。無麻酔による有髄歯切削埋伏歯抜歯小手術(膿瘍切開など)局所麻酔注射麻酔後の有髄歯切削根管治療(綿栓交換)スケーリング(麻酔なし)動揺歯抜歯補綴物合着印象採得(mm)100患者術者0手術と言われるだけで怖いと感じます歯髄に触られる痛みは拷問に近く、耐え難いものですね局所麻酔や切開、骨や歯を削られる振動、長時間の開口状態で精神的にも身体的にもダメージを受けます 代表的な歯科治療から受けるストレスについて患者さんと術者が評価した結果を図11)に示します。患者さんがストレスを多く感じる処置は、①無麻酔による有髄歯切削、②埋伏歯抜歯、③小手術の順でした。一方、術者は①埋伏歯抜歯、②小手術、③無麻酔による有髄歯切削の順にストレスを与えていると感じていました。 患者さんと術者では順番は異なるものの、“痛みをともなう治療や外科処置”に不安や恐怖を持つと考えられます。つまり、これらの治療については医療従事者も患者のストレスを軽減するための配慮や注意をしていると考えられます。 しかし、無麻酔で行うスケーリング、根管治療(綿栓交換)、補綴物の合着、印象採得などでも患者さんはストレスを感じています。これらは、患者さんがストレスを感じる処置は医療従事者が考えるものと異なっていることを示しています。歯科衛生士 September 2019 vol.4350

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