歯周疾患・インプラント周囲疾患新分類 日頃、多くの歯科衛生士が臨床現場で歯周治療、インプラント治療に臨まれているかと思います。その際には、インスツルメンテーションを含めた手技はもちろんのこと、専門職として学術的な知識を兼ね備えておくことは必須です。 ご存じの方も多いと思いますが、2017年11月に、ヨーロッパ歯周病学会(EFP)とアメリカ歯周病学会(AAP)が共同でワークショップを開催し、歯周疾患およびインプラント周囲疾患について新たな診断基準を提示し、2018年に論文として発表しました(以下、新分類)1,2)。日本においても、2018年5月に、公益社団法人日本口腔インプラント学会と特定非営利活動法人日本歯周病学会が共同で「インプラントのメインテナンスに関する学会見解」を発表しています。新分類では、いずれもプロービングを重要視しているという点が共通しています。メインテナンスを担当する歯科衛生士としては、的確にプロービングを行い、全身疾患や生活習慣もふまえて、より多角的に一人ひとりの患者さんに向き合うこと。そうして収集した情報を科学的に分析し、介入方法を立案してそれを励行することが求められるようになりました。 そこで今回、前述の診断基準や学会見解をふまえ、歯周疾患とインプラント周囲疾患の観点から、メインテナンス時の注意点や具体的な方法について概観することとなりました。皆さまの臨床業務にお役立ていただければ幸甚です。はじめに ―新分類理解のカギはプロービングにあり―柏井伸子 歯科衛生士の正 1特 集歯科衛生士 November 2019 vol.4326
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