歯科衛生士 2020年2月号
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「紙巻きタバコより体に悪くない」という誤ったイメージから、加熱式タバコユーザーが増加中!います2)(図1)。 さらに、2018年のインターネット調査(非喫煙者も含めた20歳以上の日本人4,684名)3, 4)では、加熱式タバコの喫煙率2.7%で、そのうち、紙巻きタバコも併用するデュアルユーザー*が67.8%でした。同じく2018年の国民健康・栄養調査では、加熱式タバコ喫煙率は男性が30.6%、女性が23.6%とさらに増加していることがわかりました。 急速な普及の背景には、企業が行うマスメディアを介した宣伝により世間一般において、「加熱式タバコは、紙巻きタバコと比較して、健康への影響が軽減され、受動喫煙や周囲の環境にも配慮した製品である」との誤った認識5, 6)が先行していると考えられ、今後も市場の拡大が予測されます。 国内における加熱式タバコ(heated tobacco product)は、2015年に全国に販売されたIアイコスQOS(フィリップ・モリス・インターナショナル/アメリカ)を筆頭に、gグローlo(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ/イギリス)、 Pプルームloom TテックECH(日本たばこ産業/東京)と続き、2019年10月にはPパルズULZE(インペリアル・タバコ・ジャパン/東京)を加えた計4社が市場に浸透してきています。 2015年に日本人8,240名(男性4,084名、女性4,156名/15〜69歳)を対象にしたインターネット調査1)によると、約半数が加熱式タバコや電子タバコの存在を知っており、2015年から2017年にかけて、アイコス使用者の割合は、0.3%から3.6%に、2年間で10倍以上に増えたといわれて*デュアルユーザー(dual user):加熱式タバコ喫煙者のうち、少なくとも月に1回以上、紙巻きタバコと併用する喫煙者。図1 加熱式タバコユーザーの急速な増加(文献2より引用作成)グローは2017年に販売開始となったが、ほかの2種とくらべて初動が大きいことから、加熱式タバコの認知度は数年で高まったことがわかる。(%)4.03.02.01.03.52.51.50.50201520162017プルームテックアイコス電子タバコ全体グロー加熱式タバコにも依存性を高めるニコチンが含まれているP.71「有害性成分の量」=「有害性の程度」ではないP.72肉眼で見えない煙が出ており、受動喫煙は起こるP.74加熱式タバコには紙巻きタバコと同じタバコ葉が使用されているP.70口腔内やからだへの影響は紙巻きタバコと同程度と考えられる説明のPOINTP.7369歯科衛生士 February 2020 vol.44

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