歯科衛生士 2020年3月号
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SRP自体がうまく行えたとしても、以下の2つの条件を満たせていなければスムーズに治療が進められないと筆者は考えます。クリアしておきたい つのことSRPの前に…… プラークコントロールが良好でなければ、ふたたび炎症を繰り返してしまいます。まずはプラークコントロールができて、そして歯肉の発赤・腫脹の改善が得られたのちにSRPへ移行します。患者さんのなかには「歯医者に通って掃除してもらっているから、家での歯磨きは適当でいい」と思われる方もいます。プラークコントロール抜きではSRPを行っても改善に向かわないことを説明し、理解していただきましょう。プラークコントロールが良好である SRPとはどのような治療なのか、また、1回にかかる治療時間や治療回数など、十分な説明が必要になります。「歯周治療はう蝕治療と同じように短期間で終わるもの」と考えている患者さんも少なくありません。歯周治療は長期にわたるため、患者さんの十分な理解と納得が得られないまま進めると「また治療をされた」と感じる方もいるので注意が必要です。そのためには次ページから紹介するようにSRPの難易度を見極め、おおよその見通しを伝える必要があるのです。 また、治療後に歯肉退縮や知覚過敏、歯肉の疼痛が起こりうる可能性もあわせて伝えておきましょう。知覚過敏に関しては、知覚過敏抑制歯磨剤をSRP前に使用していただくことなどで軽減することもできるでしょう。患者さんにとって見た目や痛みのインパクトは大きく、事前に説明がなければ「治療をしたせいでこうなった」と思われる方もいます。しっかり説明し、理解を得ておきましょう。SRPの見通しを患者さんに説明できている歯科衛生士 March 2020 vol.4430

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