歯科衛生士 2020年3月号
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事前情報の読み取りで先手を打て!難易度を見極めたスムーズなSRPSRPの難易度を見極めるSRPの難易度を見極めるには「デンタルエックス線写真」と「歯周組織精密検査」が重要なカギとなります。資料の情報をもとにSRPの進め方を予測しよう たとえば、旅行に行くことになったとき、まずはその土地の情報を調べたり聞いたりするなどの下準備をするのではないでしょうか。そのうえで、どこへ行くか、どのような順番で・時間配分で観光するか計画を立てていくと思います。SRPも同様に、どのような状態(罹患度)で、どの部分が難しいか、そしてどのくらいの時間を要するか、難易度を見極めたうえであらかじめSRPの手順を決めておくことが必要なのです。 初診時には患者さんの口腔内資料を採得し(表1)、医療面接では、患者さんのより具体的な情報(性格やモチベーション、治療への協力度など)を収集すると思います(表2)。これらの情報は、何を優先すべきか、そしてどのように進めていくかなどの、治療の方向性を決めるヒントとなるでしょう。表1 歯周基本治療時に得たい口腔内資料治療計画の立案や治療の進行具合、変化などを確認するために初診時の資料は特に重要となる。デンタルエックス線写真(10枚法or14枚法)・パノラマエックス線写真スタディーモデル口腔内写真PCRPPD(出血・排膿・動揺・分岐部病変の有無)※必ずエックス線写真を見ながら行う表2 歯周基本治療時に得たい患者情報歯周基本治療時、歯科衛生士は患者と接することが多く、上記のような情報を収集する大切な機会でもある。治療を潤滑に進めるために把握しておきたい情報である。●資料の収集●パーソナリティーの把握●生活環境の把握●歯科既往歴の把握(麻酔や痛みなど)患者情報●初診時の治療に対するモチベーション●外科処置にむけてのモチベーション●プラークコントロールに対するモチベーションモチベーション●協力度●メインテナンスへの理解●セルフケア●治療の目標の設定協力・理解度・方向性31歯科衛生士 March 2020 vol.44

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