歯科衛生士 2020年5月号
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[後編]Illustration:津田蘭子発表したい症例を決定する緒言この発表で一番言いたいことを決める結論治療前の医療情報を整理する 材料と方法治療結果を時系列で整理する結果結果をもとに考察を加える考察~を短くまとめた文章を作成する要旨要旨を短文に縮めてタイトルとするタイトルタイトルを単語に分解するキーワード科学的思考サイクルに則り、プレゼンテーションを作成する手順を上のようにするとうまくいきます。後編はから解説するよ ここで記載されることは観察結果、診断結果、治療結果です。これらはあくまでも事実の積み上げです。したがって、ここでは「~と考えられる」「~と思われる」という表現は一切使えません。むしろ淡々と事実を述べるのです。さらにここで重要なことは、「なぜこの症例を選択したのか?」「この症例をもとに何が一番言いたいのか?」をつねに思い浮かべて資料を整理します。 人にはそれぞれ大切な「思い入れ」があります。しかしながら、時としてこの「思い入れ」が邪魔になります。それらが混入してしまうとストーリーがボケてしまい、本当に言いたいことが不鮮明になる事態が起こります。そこで、迷った時はつねにの選択根拠と、の一番言いたいことに戻り、その資料が本当に必要なのかを考えるのです。つまりここで一番重要なことは、「捨てる勇気」なのです。治療結果を時系列で整理する初診時から最新のSPT(メインテナンス)時までの治療結果を整理する結果ここでは「~と思う」や「~と考える」は使わない。あくまでも事実を記載する。 この項目あたりから実際に文章を作成し出すのですが、筆者は漢字の使い方を指摘することが多くあります。漢字にしないと意味が通じない時は必ず漢字にすべきです。「くもが動いた」は、「雲が動く」のと「蜘蛛が動く」のでは大違いだからです。 しかしながら、「出血した為に~」「指導した事から~」「~の様に」などは、「出血したために~」「指導したことから~」「~のように」で十分に意味が通じますし、読みやすくなります。最近では新聞でもこのようになっています。必要十分に漢字を使おうIllustration:津田蘭子歯科衛生士 May 2020 vol.4480

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