歯科衛生士 2020年5月号
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損傷と劣化を防ぐ正しい扱い方P.73患者説明用シートセルフメイドマウスガードとの違いP.71マウスガード装着時の適切な状態を確認するP.72マウスガードは消耗品P.74マウスガードは歯のヘルメットP.70説明のPOINT激しいスポーツに欠かせないマウスガード。使いやすいものを、正しく使ってもらうためには?いると、印象採得が正確に行えません。できあがったマウスガードも歯肉が腫脹していれば維持が悪くなります。口腔内に問題がある場合、マウスガードはその治療が終わってから作るべきでしょう。 既製品のマウスガードには安価という利点はありますが、このように適合が不良であるために使用感が悪いことが多く、使用を避けるようになったり、マウスガードの本来の効果が十分に発揮されなかったりすることがあります。一方、歯科医院でマウスガードを製作することは、その欠点を補うだけでなく、口腔管理の第一歩とすることにもつながります。 歯科医院で初めてマウスガードを製作しようとしているこの子に対して、どのような説明を、どのような順番でしていけばよいでしょうか? いっしょに学んでいきましょう。 ラグビーをしている中学生の男の子が来院されました(図1)。これまで使っていた、お湯で作る市販のマウスガードが合わなくなり、噛んでいないと落ちてくるようになったとのこと。口腔内を確認すると、プラークコントロールが不良で歯肉に発赤も認められます。 スポーツ選手は、口腔内環境が悪くなりやすいといわれています。その要因としては、①呼吸数および口呼吸の増加・運動中の緊張状態・脱水状態により、口腔内が乾燥しやすい、②スポーツ飲料や補助食品の頻回摂取といった問題が挙げられます。 マウスガードは、歯や歯肉が健康な状態で装着することで、よりその外傷予防効果が得られます。この症例のようにプラークで歯面がベタベタだったり、歯肉が腫れて出血して図1 既製品のマウスガードを使用しているラグビー選手(中学生・12歳)の上顎全顎的にプラークコントロールが不良で、歯肉の発赤が認められる。上顎の側切歯が交叉咬合。第二乳臼歯が残存しており、第二大臼歯は未萌出であった。69歯科衛生士 May 2020 vol.44

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