歯科衛生士 2020年6月号
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なぜ、ここだけ歯周炎が進行したか?局所的な骨吸収の背景にある力の影響図1 歯の喪失の主な原因図2 メインテナンス期間における歯の喪失の主な原因(文献1より作成)(文献2より作成)年齢別では、歯周病と破折は中高年に多く、埋伏歯と矯正は若年者に多くみられる。う蝕はどの年代においても多くなっている。30年間にわたるメインテナンスにおける喪失原因を調べた研究では、力による喪失が一番多いことがわかった。また、う蝕の8割は二次的なものであった。フェストゥーンクレフト56歳女性33歳女性骨吸収65歳女性歯の破折 62%外傷 5%う蝕 7%歯周病 5%根管治療 14%歯根吸収 7%歯周病 37%不明 1%埋伏歯 5%矯正 2%破折 18%う蝕 29%その他 8%力によって歯が圧下すると、辺縁歯肉が肥厚したり(フェストゥーン)、歯肉が薄い部位は裂け目(クレフト)ができたりする。マイクロクラックによるう蝕44歳男性歯に強い力や持続的な力がかかるとエナメル質に微小の亀裂が生じ、そこへう蝕細菌が侵入してう蝕が発生すると考えられる。炎症がある部位に外傷性咬合が加わると、垂直性骨吸収が発生しプロービング値が部分的に深くなる。33歯科衛生士 June 2020 vol.44

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