歯科衛生士 2020年6月号
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 皆さんは臨床で疑問が出てきたとき、その答えをどのように探していますか? まずは周りに質問してみたり、身近にある教科書を開いてみたりすると思います。では、それでも答えが見つからなかった場合、どうしますか? 時間だけが過ぎて、疑問をそのままにしてしまっていることが多いのではないでしょうか。 筆者が副院長として勤務するしおみ歯科クリニックでは、月に1回、歯科衛生士(DH)のための勉強会を開いています。勉強会の最後には必ず、DH一人ひとりに対し日々の臨床で生じる疑問(clinical question:CQ)に筆者が答えるというスタイルをとっています。これをするようになって感じたのは、こちらが思っていた以上にどのDHも疑問を抱えていて、それを未解決のままにしているということです。そして、疑問を解決するために、何をどのように調べていいかわからず、困っているということでした。 もちろん、臨床の疑問の答えを見つける最短の方法は、信頼できる職場の歯科医師(DR)や先輩DHに質問することです。医院によって治療方針や学ぶべきことは異なるので、現場の先輩が教えることこそもっとも重要な情報です。しかし、自分が持った疑問に対する適切な答えが得られない場合や、お互いの忙しさを理由に、質問して答えてもらうというまとまった時間をとれない場合もあると思います。 また、自分で答えを見つけるための手段として、適切な情報がまとめられた教科書を持っておくことは基本中の基本ですが、自分が知りたい情報がピンポイントで載っていなかったり、最新の治療や考え方に関する情報が載っていなかったりすることも多いでしょう。 そんな時に、自分自身でCQの答えを見つけるスキルが身につけば、いつでも自信を持って最適な歯科医療を患者さんに提供することができます。もちろん、新たな知識を得ることで、DHとしてより適切な介入ができるようになり、モチベーションの向上にもつながります。臨床でわからないことがあったら……?周りに質問しても、教科書を見ても解決しない! どうする?2特集AA臨床で  文献検索ができれば、臨床で  歯科衛生士 June 2020 vol.4450

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