歯科衛生士 2020年6月号
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成田大輔Daisuke NARITAしおみ歯科クリニック[大阪府]副院長・歯科医師日本歯周病学会認定医Illustration:寺田久美 そこで有効なのは、インターネットを使って、自分が知りたい適切な医学情報を検索することです。もっとも主流な方法は、このあとご紹介するように、PubMedなどの文献データベース検索エンジンを利用して、自分の疑問に関連する文献(科学的根拠:エビデンス)を検索することです。「文献(エビデンス)を探すのってなんだか難しそう」と思うかもしれませんが、これだけインターネットとスマートフォンが普及した現代であれば、スキルさえ身につければ新人・若手DHでも簡単に文献を探してCQの答えを見つけることができます。たとえば、ある日診療中にCQが生じたら、その後の診療の合間や仕事帰りにスマホを使って効率よく文献を見つけ、その日のうちにCQを解決することも可能になります。ネット検索のスキルは、現代の医療者には必須のスキルと言っても過言ではありません。 ただ、検索するといっても、インターネット上の情報は膨大なので、中には当然適切ではない医学情報が含まれています。皆さんはインターネットで得た情報を披露されて、「それってエビデンスあるの?」「インターネットで引っ張ってきた情報はあてにならない」と感じたことはありませんか? インターネットに散在する情報を検索するだけなら、はっきり言って患者さんでもできます。私たちはプロである以上、いい加減な情報に基づいた治療を患者さんに提供するわけにはいきませんので、自分が知りたい最新かつ正しい情報を素早く検索・吟味するスキルが必要不可欠になってきます。 今回は、CQの答えを自分で見つける具体的なスキルとして、皆さんのCQに関する答えが詰まった「診療ガイドライン」や「文献データベース」を活用する方法やコツをなるべく簡潔にまとめ、実際に臨床へ応用するまでの流れを紹介します。ネット検索が強い味方に!検索した情報を吟味できるのがプロAA浮かんだ疑問は、文献でサクッと解決疑問が生じても怖いものなし!51歯科衛生士 June 2020 vol.44

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