歯科衛生士 2020年7月号
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パノラマではわからない情報が浮き彫りに……図1 初診時口腔内写真図3 初診時デンタルエックス線写真とパノラマエックス線写真拡大図の比較4年ぶりに来院した43歳・女性患者。1日2回、やわらかめの歯ブラシで優しくブラッシングされており、隣接面に多量のプラーク付着が認められた。デンタルエックス線写真(a)のほうが、パノラマエックス線写真(図2白破線部)からの拡大像(b)と比較すると、歯槽硬線や歯根膜腔が鮮明である。CASE 「56あたりで噛むと痛い」という主訴の患者さんの初診時口腔内写真とパノラマエックス線写真です(図1、2)。当初、6の充填物下の二次う蝕を疑いましたが、デンタルエックス線写真を撮影すると、45の歯根膜腔が開いていることが確認できました(図3a)。そこで咬合性外傷の可能性を疑い、歯科医師による咬合調整を行ったところ、翌日には疼痛が消失しました。 このように、視診とパノラマエックス線写真だけでは診断が難しい場合にこそ、鮮明な映像で映しだされるデンタルエックス線写真が診断の鍵となります。図2 初診時パノラマエックス線写真6の咬合面は過去にレジン充填の処置がされており、不透過像が認められる。当初、6の二次う蝕を疑ったが、パノラマエックス線写真では鮮明な映像が得られていないことがわかる。ab45歯科衛生士 July 2020 vol.44

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