歯科衛生士2020年10月号
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ガイドライン&文献データベースでできる!成田大輔 Daisuke NARITAしおみ歯科クリニック[大阪府]副院長・歯科医師 日本歯周病学会認定医2020年6月号では、DHが臨床上の疑問(クリニカルクエスチョン:CQ)の答えを自分で見つけるための基本的な文献検索スキルを特集で解説しました。本連載ではその実践編として、実際の症例を通してDHの臨床でよくみられるCQの文献検索に取り組みます。Illustration:寺田久美CQ4CQ「歯間ブラシとフロスはどちらが効果的か?」 今回の患者さんは25歳男性で、現在アライナー矯正治療中です(図1、2)。全顎的に修復物が多く、う蝕のリスクが高いと考えられます。特に下顎前歯部は叢生が強く、プラークコントロールが不良です。下顎前歯部の辺縁歯肉には、炎症による発赤も認められます。歯肉炎の改善や隣接面う蝕の予防のために、歯間部の清掃をしていただく必要がありますが、この患者さんにとって効果的な方法は何でしょうか?歯間ブラシとフロスはどちらが効果的なのか? う蝕や歯周病の治療や予防のためにプラークコントロールを確立するうえで、歯ブラシのみのブラッシングでは隣接面にプラークが残存しやすいため、歯間清掃用具による歯間部の清掃は欠かせません。 歯間清掃用具としてよく使われるものに、歯間ブラシとフロスがありますが、どちらが効果的なのでしょうか? エビデンスに基づいて患者さんにとって最適な歯間清掃方法を提案するためにも、DHとして歯間清掃に関するエビデンスはおさえておきたいところです。この患者さんは下顎前歯部のプラークコントロールが悪くて歯肉炎を起こしている……。歯列不正もあって隣接面う蝕のリスクも高そうだなぁ。隣接面にプラークの付着が多いから、ブラッシングの際に歯間部の清掃をしてもらったほうがよさそう……。そういえば、歯間部の清掃は歯間ブラシとフロス、どちらが効果的なんだろう?DHが知っておきたい歯間清掃用具のエビデンス62歯科衛生士 October 2020 vol.44

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