歯科衛生士2020年10月号
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とにかくドキドキしてしまう歯科の麻酔。ストレスなく安全に処置を行うためには? 麻酔処置は、患者さんにとって、外科手術や抜歯の次にストレスを感じるようです(図1)1)。歯科治療に欠かせない麻酔薬の多くはアドレナリンを含み、さらに麻酔と聞いただけで血圧が上がるとおっしゃる患者さんも珍しくありません。このように、麻酔処置はドキドキしてしまう要素をたくさん含んでいます。 また、平成28年の国民健康・栄養調査によれば、日本人の3人に1人が高血圧に罹患しています。加えて、歯科を受診する高齢患者さんの多くが何らかの治療を受けている超高麻酔で気分が悪くなってしまう場合麻酔の痛みが怖い場合P.71麻酔が効きにくいことが不安な場合P.72常用薬がある場合に注意すべきことP.74麻酔にはいくつかの種類がある説明のPOINTP.70P.73全体についてで確認します。患者説明用シート齢社会のわが国では、冒頭のような症例もけして珍しいとは言えません。 このような時に、麻酔について患者さんにしっかりと説明し、安心させてあげることができたら、それこそがプロの歯科衛生士というものですね。 本稿では、患者さんの不安に寄り添い、安心していただけるための説明のしかたと、確認しておくべきことを紹介します。(文献1より作成)図1 歯科治療で患者がストレスを感じた処置患者がストレスを感じた処置をVAS(visual analogue scale)により評価した。埋伏歯抜歯2位小手術 (膿瘍切開など)3位局所麻酔注射麻酔後の有髄歯切削根管治療 (綿栓交換)6位スケーリング(麻酔なし)7位動揺歯抜歯8位補綴物合着印象採得無麻酔による有髄歯切削1位4位9位69歯科衛生士 October 2020 vol.44

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