歯科衛生士2020年11月号
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全部答えます。ファーケーションプローブをうまく挿入できない場合、どうしたらよいでしょうか?ファーケーションプローブを挿入できない要因を考えて、それぞれに合わせた対応を取りましょう。 舌圧が強く、器具を口腔内に挿入するのが困難なことは臨床現場でしばしば見られます。プロービングの際にも、舌圧や口唇圧が強く、プローブをうまく挿入できないことは多々あります。そんなときは、なぜプローブを挿入できないか考えてみましょう。筆者は、①そもそも舌圧や口唇圧が強い、②プロービングが痛いため舌圧が強くなる、③歯科治療が苦手で舌圧が強くなる、の3つのどれかにだいたい該当すると考えています。 ①の場合、術者がミラーで排除しようと無理な力で舌を抑えると、さらに強い舌圧で器具を排除しようとしてしまいます。力で舌を抑えるのではなく、ミラーで優しく舌を排除し、ファーケーションプローブが見える場所を確保すると測定ができます(図2)。 ②の場合は、プローブやファーケーションプローブの挿入方向や挿入圧などを再度見直してみましょう。患者さんに“痛い”プロービングを行っている可能性もあります。挿入方向や圧などに問題がなければ、その患者さんが痛みに弱いことも考えられます。痛みが強くプロービングが困難な場合は、表面麻酔を塗布することもあります。また、歯肉の炎症が強い場合、プロービングは控えましょう。下田裕子水上歯科クリニック[福岡県] 歯科衛生士 ③の場合、歯科治療が苦手で、緊張から舌圧が強くなる場合もあります。患者さんがリラックスできる声かけをするなど、心配りや気配りを忘れないようにしましょう。また、術者の手技が粗いと、患者さんは歯科治療に対して非協力的になってしまいます。A2Q2特に高齢者の男性に多い気がするのですが、舌圧が強く7舌側などをファーケーションプローブでうまく測れないことがあります。このような場合、何か得策があれば教えていただきたいです。図2 プロービングのコツ術者は4時ぐらいの場所に位置取り、患者には術者の方を向いていただく。ミラーで舌を抑えるのではなく、舌と歯の間にミラーを挿入する。こうすれば、ミラーでファーケーションプローブの数値が見える。ab2020年上半期講演者論文講演者論文81歯科衛生士 November 2020 vol.44

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