歯科衛生士2020年12月号
1/9

ガイドライン&文献データベースでできる!成田大輔 Daisuke NARITAしおみ歯科クリニック[大阪府]副院長・歯科医師 日本歯周病学会認定医2020年6月号では、DHが臨床上の疑問(クリニカルクエスチョン:CQ)の答えを自分で見つけるための基本的な文献検索スキルを特集で解説しました。本連載ではその実践編として、実際の症例を通してDHの臨床でよくみられるCQの文献検索に取り組みます。Illustration:寺田久美CQ6DHが知っておきたいモチベーションのエビデンス歯周治療においてモチベーションはどれくらい効果的か? 本連載第3回(9月号)で、縁上のプラークコントロールの効果とその重要性についてお話ししましたが、モチベーションは患者さん自身による縁上のプラークコントロールを確立させるうえで不可欠です。つまり、歯周治療を成功させるためにはモチベーションは必須と言えます。それでは、歯周治療におけるモチベーションに関して、いったいどんなエビデンスがあるのでしょうか?この歯周病の患者さんは口腔内への意識が低く、プラークコントロールが悪いなぁ……。そもそも自分の口腔内の現状もわかっていないようだから、ブラッシング指導の前にモチベーションを上げる必要があるなぁ。モチベーションって大事だとは思うけど、いったいどれくらい効果的なんだろう? 今回の患者さんは、連載第1回(7月号)でも供覧した初診時55歳男性の患者さんです(図1)。全顎的に歯肉の発赤・腫脹を認め、プラークコントロールが著しく不良です。ご本人は歯周病の知識が乏しく、口腔内への意識が低い状態でした。 まずは、患者さんに歯周病や自身の口腔内の状態について理解してもらい、モチベーションを向上させ、プラークコントロールを確立する必要があります。そこで鍵となる「モチベーション」に関する情報について、文献検索を行って調べてみましょう。CQ「歯周治療におけるモチベーションの効果は?」62歯科衛生士 December 2020 vol.44

元のページ  ../index.html#1

このブックを見る