歯科衛生士2021年1月号
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患者さんが自分でやる患者さんにお願いしてやってもらう術者がやってあげるはじめに 歯周病の患者さんを見ない日はないほど、日常にあふれたこの疾患のコントロールに日々悩まされることも多いのではないでしょうか? それは、ひとえに歯周病がプロフェッショナルケアといわれる私たち術者による繰り返しのインスツルメンテーションだけではコントロールし得ないものであり、歯周治療には患者さんによるプラークコントロールが欠かせないからです。 プラークコントロールの成否は、患者さんの口腔衛生習慣を変える、つまり行動変容によって左右されます。したがって、口腔衛生指導(OHI)では術者が一方的に指導するのではなく、患者さんの想いを聞いたり、患者さん自身に気づきをもたらしたりするというアプローチが欠かせません。 筆者は大学卒業後、スウェーデン・イエテボリ大学の歯周病科に数年間留学していましたが、そこではまさにそのようなアプローチがあたりまえのように実践されていました。この時学んだことが、筆者にとって今もなお臨床の礎となっています。 今回、こうしたコンセプトの共有と実際のケースから、患者さんに主体性を持ってもらえるためのかかわり方のヒントを皆さんに紹介したいと思います。患者さんのやる気を引き出すセルフケア指導1特集福井秀和Hidekazu FUKUIさつき歯科医院[長野県]歯科医師ヨーロッパ歯周病連盟(EFP)歯周病専門医「やってもらう」「自分でやる」に変えるには?を皆さんがプラークコントロールで目指すのは、どのレベルですか?低高患者さんの主体性Illustration:溝呂木一美、飛田 敏、毛利みき22歯科衛生士 January 2021 vol.45

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