歯科衛生士2021年5月号
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1特集Illustration:石山綾子土川睦子Nobuko TSUCHIKAWADM-NURSE-LAB代表看護学修士糖尿病看護認定看護師福田美紀Miki FUKUDADM-NURSE-LAB事務担当看護師・保健師・人間ドックアドバイザーメンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種[コメント]石原美樹 Miki ISHIHARA株式会社COCO DentMedical代表歯科衛生士・愛知県糖尿病療養指導士歯科衛生士が知っておきたい糖尿病患者さんの  糖尿病有病者と糖尿病予備群は合わせて約2,000万人いるといわれています。日本の人口は約1億2,000万人ですので、いかに人口に占める割合が高いかがわかるかと思います。年齢が高いほど糖尿病有病者の割合は高くなり、有病者の割合は最近20年間で増加傾向にあります(図1)。図1 糖尿病有病者・糖尿病予備軍の割合の年次推移HbA1cが6.5%以上、または糖尿病治療経験があると回答した者を「糖尿病が強く疑われる者」、HbA1cが6.0%以上6.5%未満で、「糖尿病が強く疑われる者」以外の者を「糖尿病の可能性を否定できない者」として、20歳以上を対象に調査。(文献1より引用改変)糖尿病が強く疑われる者糖尿病の可能性を否定できない者(%)5040302010019979.98.0200212.810.0200715.314.0201215.212.1201616.312.219977.17.920026.511.020077.315.920128.713.12016(年)9.312.1男性女性糖尿病の患者さんは、年々増えている 歯周病と糖尿病は関連性が強いことがわかっており、歯科衛生士として糖尿病患者さんの状態を理解できるよう知識を持つ必要があります。まずは、血糖値・HbA1cを知ることで、患者さんの現在のお体の状態を理解してほしいです。糖尿病の状態によって歯周組織の治癒への影響が大きいため、糖尿病を知ることでその理由なども理解でき、患者さんへの説明や治癒の見方などにも変化がでてくると思います。 また、歯周病やう蝕と同じように、糖尿病においても行動変容が必要ですが、実際には本当に難しいことです。患者さんの現在の生活環境や精神面なども理解できるようになることで、歯周治療を行う際にも配慮しながら進められるようになると思います。読者の皆さんには、ぜひ今回の特集を熟読してほしいです。石原美樹 歯科衛生士・愛知県糖尿病療養指導士26歯科衛生士 May 2021 vol.45

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