歯科衛生士2021年6月号
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CASE 2CASE 1予測以上の改善を引き出す歯周 “保存できない”と診断された歯が、今も安定して残せています!患者さんの“治る力” 1特集 皆さんは「歯周病が治る」ということを、患者さんにどのように説明しているでしょうか。筆者らは、患者さんにこれを正しく伝えてわかってもらうことは、とても難しいことだと思っています。しかし同時に、これをわかってもらえない限り、「歯周病は治せない」とも考えています。 歯周病の特徴は、一度失われた歯周組織は自然に治癒(再生)することがないため、さらに進行・再発しないように、患者さんはじめに ─“時間を味方につける”歯周治療の考え方─石川 亮 石川齒科醫院・歯科医師の一生涯にわたり維持安定させる必要がある、というものです。もし深いポケットを有していて、出血が持続しているのに、痛みや腫脹などの症状が緩和したという理由から、「歯周病が治った」と誤解してしまったら、その後歯周組織が維持されることは極めて困難です。また、「この歯は予後が悪そうなので、骨が残っている今のうちに、抜歯をしてインプラントにしましょう」と勧めた場合も、「歯周病が治った」と誤解してしまえば、その後SPTBEFOREBEFORE26歯科衛生士 June 2021 vol.45

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