歯科衛生士2021年6月号
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治療 を 最大限に上げるIllustration:タニグチコウイチ(Supportive Periodontal Therapy)への協力が得られず、結局インプラント周囲炎を招くことも考えられます。 筆者らは、治療期間がほぼ一生涯に及ぶことになる歯周治療では、「時間を味方につける」、すなわち「患者さんごとに異なる『治る力』を見極め、すべての治療期間をとおしてさらにそれを引き出すための取り組みを継続する」という考え方が合理的だと考えています。これは、有効な治療を施すことなく、外科手術や必要な抜歯など患者さんが嫌がる治療をすべて避け、単に「問題を先送りにする」のとは明らかに異なるということを、まず強調しておきたいと思います。患者さんのそばにただ寄り添うだけでは、「歯周病が治る」日はけっして訪れません。 今回は、患者さんの“治る力”を最大限に上げるための歯科衛生士のかかわり方について、症例を交えながら解説したいと考えています。石川 亮Ryo ISHIKAWA石川齒科醫院[兵庫県]院長・歯科医師5-D Japan コースインストラクター福原あゆみAyumi FUKUHARA石川齒科醫院[兵庫県]歯科衛生士5-D Japan DHコースインストラクターCONTENTSP.28PART1 介入によって、予後は変化する可能性がある─その歯は本当にHopeless?─石川 亮P.30PART2 現場発! “治る力”の見極め方&引き上げ方福原あゆみP.34PART3Case Report初診時にHopelessとされていた歯が保存可能に!福原あゆみ AFTER AFTER27歯科衛生士 June 2021 vol.45

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