歯科衛生士 2021年9月号
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この患者さんは縁下歯石が沈着していて、SRPが必要だなぁ。だけど、歯石の量が多いから、手用スケーラー(キュレット)ですべて取りきるのは大変そう……。SRPで使用する器具にはいろいろあるけど、どのように使い分けたらいいんだろう?https://www.quint-j.co.jp/web/shikaeiseishi/index.php2020年6月号では、DHが臨床上の疑問(クリニカルクエスチョン:CQ)の答えを自分で見つけるための基本的な文献検索スキルを特集で解説しました。本連載ではその実践編として、実際の症例を通してDHの臨床でよくみられるCQの文献検索に取り組みます。連載内で紹介している文献を、web上で見ることのできるものはリンクつきでまとめました。72歯科衛生士 September 2021 vol.45 SRPで使用する器具として、主に超音波スケーラー、エアスケーラー(音波スケーラー)、手用スケーラー(キュレット)が挙げられます。超音波スケーラーは1960年代から使用されている、25,000~42,000Hz(毎秒25,000~42,000回の振動)の人間の耳には感じられない音波の周波数でチップが振動するスケーラーです。エアスケーラーは1970年代から使用され、空気圧を利用してチップを振動させるスケーラーです。パワーは超音波スケーラーの1/5~ 今回の患者さんは20代男性で、歯周炎に罹患しています(図1)。下顎前歯部は叢生が強く、プラークコントロールが不良です。縁上縁下歯石の沈着、歯肉の顕著な発赤・腫脹を認めました。成田大輔 Daisuke NARITAなりた歯科・矯正歯科[兵庫県]院長・歯科医師 日本歯周病学会歯周病専門医1/10と劣りますが、安価で、タービンハンドピースの付け替えのみで簡便に使用できることが利点です。 それぞれの器具について、エビデンスに基づいた利点・欠点、および特徴を理解し、状況に応じて使い分けることで、より質の高いSRPを行うことが可能となります。そこで今回は、SRPで使用する器具をどのように使い分けたらよいか、その答えに関する情報を文献検索で探していきましょう。 歯周炎の原因となっている歯肉縁下の歯石やバイオフィルムの除去を行うために、SRPを行う予定ですが、どのように器具を使い分ければよいでしょうか?Illustration:寺田久美CQ15ガイドライン&文献データベースでできる!CQ「SRPで使用する各器具の効果は?」SRPで使用する器具はどのように使い分けるの?DHが知っておきたい各種スケーラーのエビデンス

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