歯科衛生士 2021年10月号
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*1 フレイル:厚生労働省研究班の報告書によると、「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」と定義されている。76歯科衛生士 October 2021 vol.45 近年よく耳にする「オーラルフレイル」は、フレイルのひとつで、口腔機能の軽微な低下や食の偏りなどに表れます。フレイル(虚弱)は、健康な状態と日常生活でサポートが必要な要介護状態の中間を意味します*1。多くの方は、要介護状態へ進む前にフレイルを経ると考えられていますが、高齢者では特にフレイルの状態になりやすいことがわかっています1)。 オーラルフレイルに見られる各症状は疾患名としての「口腔機能低下症」に重なります。口腔機能低下症は、60代で6割、70代で8割、80代以上ではほとんどの人に発症しているといわれます。40~50代でも、半数近くは何らかの口腔機能が低下しているという調査結果2)もあります。 読者の皆さんが勤務される歯科診療所の患者さんや、訪問先のグループホーム・ショートステイ・特別養護老人ホームの入居者さんにも、オーラルフレイルや口腔機TOPIC多くの高齢者がオーラルフレイルの状態にある歯科衛生士は口腔機能へのアプローチに最適他職種と一緒に取り組む口腔機能

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