歯科衛生士 2021年10月号
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https://www.quint-j.co.jp/web/shikaeiseishi/index.php2020年6月号では、DHが臨床上の疑問(クリニカルクエスチョン:CQ)の答えを自分で見つけるための基本的な文献検索スキルを特集で解説しました。本連載ではその実践編として、実際の症例を通してDHの臨床でよくみられるCQの文献検索に取り組みます。連載内で紹介している文献を、web上で見ることのできるものはリンクつきでまとめました。CQ1668歯科衛生士 October 2021 vol.45 一般的に、疾患の発症や進行を規定する因子や、その予測に役立つ因子をリスクファクター(危険因子)と定義します。歯周病の直接的な原因は細菌性プラークですが、歯周病の発症と進行、そして治療に対する反応は歯周病のリスクファクターによって影響を受けます。歯周病のリスクファクターと 今回の患者さんは30代女性です(図1)。プラークの付着量は比較的少ないものの、臼歯部を中心に歯間乳頭部に歯肉の発赤と深い歯周ポケットを認めます。患者さんには10年以上前から喫煙の習慣(10本/日)があり、その影響からか、成田大輔 Daisuke NARITAなりた歯科・矯正歯科[兵庫県]院長・歯科医師 日本歯周病学会歯周病専門医は、その存在が時間の経過とともに歯周病の発症率を増加させ、逆にそれを排除することで歯周病の発症率を減少させることが研究によって証明されています。 では、歯周病のリスクファクターにはどのようなものがあり、具体的にどんな影響があるのでしょうか?歯周ポケットの深さに対してBOPの割合は比較的少ない状態でした。 患者さんの歯周病を進行させている要因の1つは、やはり喫煙なのでしょうか?Illustration:寺田久美この患者さんは30代という年齢の割に歯周病が進行しているなぁ。医療面接で確認したところ、喫煙の習慣があるみたい……。喫煙をしていると歯周病のリスクが上がると聞いたことがあるけど、実際はどうなんだろう?ガイドライン&文献データベースでできる!CQ「歯周病のリスクファクターって?」歯周病のリスクって何があるの?(喫煙編)DHが知っておきたい歯周病のリスクファクターに関するエビデンス[前]

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