歯科衛生士 2022年1月号
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Dr.オカザキのお口ぽかん、困った食べ方への新アプローチたのしい! 無理なくできる!Illustration:大橋明子 筆者が今で言う「口腔機能発達不全」について初めて耳にしたのは30数年前のテレビ番組でした。全国約40万人の保育園児を対象に“噛むこと”について調査した結果、「固形物を噛むことができない」「固形物を食べると口から吐き出す」「飲み込むのが下手」「固形物をそのまま飲み込む」「軟らかいものしか食べない」「口の中に食物をためこんだまま飲み込まない」「2~3回噛んだだけで動きが止まる」「しゃべる時、舌の使い方が下手」などの問題が次々に出てきました1-3)。 この問題に最初に気づいたのは、現場の保育士たちでした。保育園は、幼稚園にくらべ園児と接している時間が長く、また、基本的に給食です。同じ年齢の園児が机を囲んで同じ献立を食べるようすを見て、食べ方に個人差があることに気づいたのです。前述したようにさまざまな問題が挙がりましたが、共通することは「口の動きが少ない」ということです。 これまで口腔機能発達不全症の原因として、誤った離乳食などの与え方の問題がクローズアップされてきました。しかし、子どもを取り巻く環境が変わり、「口を使う機会」が減ったことも、これに大きくかかわり、口腔機能向上のためには目を向ける必要があるのではないかと筆者は考えています。今回は、そのなかでも楽しく続けることができる「口遊び」について注目してみます。具体的にみていきましょう。岡崎好秀Yoshihide OKAZAKI国立モンゴル医学科学大学客員教授歯科医師51January 2022 vol.46TOPIC1はじめに口腔機能発達不全に気づいたのは保育士!?口遊び口遊び

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