歯科衛生士 2022年5月号_2
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●37歳●2005年茨城歯科専門学校卒業●臨床経験年数:16年目●勤務形態:常勤●日本臨床歯周病学会の所属支部:関東支部●その他所属学会、スタディグループ:国際口腔インプラント学会(インプラントコーディネーター、認定歯科衛生士)●勤務先:歯周病専門医の院長のもと、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、口腔の健康から全身の健康を目指す歯科医院。49歳(2014年初診時)、女性15年以上歯科医院には通院していない。7はその前に抜歯した。上顎前歯部の補綴装置は20代前半に装着した全身的既往歴特記事項なし喫煙歴家族初診時の主訴、既往歴、全身状態などの情報を示す。[監修委員(50音順、敬称略)]雨宮 啓/吉田 茂/高井康博 (日本臨床歯周病学会)なし夫と2人暮らし。子どもが2人いるが、県外に住んでいる。父親が糖尿病を患っており、50代で総義歯になっている。母親も部分床義歯を使用している年齢、性別主訴ぐらついた奥歯が痛み、顔まで腫れてしまった1年前に7、半年前に5が自然脱落。数ヵ月前から右下の臼歯部が噛むと痛むようになり、たまに腫れる現病歴歯科的既往歴78Nobuko Itoたかつち歯科医院[茨城県]歯科衛生士日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士[キーワード] 情報共有、歯科恐怖症、包括的治療本欄は、(特非)日本臨床歯周病学会監修のもと、会員の歯科衛生士の方々にご登場いただき、日常臨床から学びが得られたケースを症例報告としてまとめていただきます。ご自身の臨床経験について、読者と共有し、学び合える場としていただけることを期待します。表1 患者さんの基本情報はじめに 歯科治療に対して強い恐怖心や不安がある患者さんの多くは、「いつかは歯科治療を受けなければ」と思っています。それでも、なかなか受診することができず、結果的に口腔内の健康が損なわれてしまうケースも少なくありません。だからこそ、このような患者さんが治療を受けられる際には、スタッフ全員がチームとなってサポートすることで、信頼関係の構築や治療に対する意欲の向上に努めることが重要だと考えます。そのためには、患者さんの情報を円滑に共有することが必要で、その一環として、筆者はSOAPIE形式による記録などを行っています。 本症例の患者さんは、恐怖心から歯科への受診が遅れたことで、歯周病の重症化、咬合崩壊につながり、口腔機能が低下し、審美性が損なわれ、強いコンプレックスを抱くようになってしまいました。今回は、そんな患者さんに対し、チームアプローチによって包括的治療に取り組んだ実際を報告します。Case Presenter伊東伸子Case 5歯科恐怖症患者に包括的治療を行った1症例Case Presentationスタッフ全員で情報を共有し、チームとして患者をサポート

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