歯科衛生士 2022年6月号
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●身長166cm、体重83kg、BMI30.1(肥満度2)●毎日の飲酒習慣あり●2011年に高血圧症と診断され、2013年より 降圧剤(ニフェジピン、テルミサルタン)服用●脂質異常症(高脂血症)、肝機能障害(アルコールの長期摂取によるアルコール性肝障害) ●45歳●1996年岡山歯科衛生専門学校卒業●臨床経験年数:26年目●勤務形態:非常勤●日本臨床歯周病学会の所属支部:中国四国支部●その他所属学会、スタディグループ:日本歯周病学会認定歯科衛生士、日本医療機器学会第2種滅菌技士、日本歯科衛生士会、日本ヘルスケア歯科学会、スタディグループ苺の会、スタディグループTDSC●勤務先:スタッフ一丸となって日々研鑽を重ね、患者の「よりよい人生」のお手伝いができるよう医院全体で取り組んでいる。年齢、性別主訴右上の歯が痛い困ったときのみ来院していた。歯石除去時の音が苦手歯科的既往歴全身的既往歴喫煙歴職業家族性格口頭での質問だけでなく、お薬手帳や薬局からの説明書を確認。また、人間ドックの血液検査結果も患者の許可を得てコピーし保管した。本欄は、(特非)日本臨床歯周病学会監修のもと、会員の歯科衛生士の方々にご登場いただき、日常臨床から学びが得られたケースを症例報告としてまとめていただきます。ご自身の臨床経験について、読者と共有し、学び合える場としていただけることを期待します。表1 患者さんの基本情報はじめに[キーワード] 患者のニーズ、 予知性のある歯周治療、最適な治療計画Mizuho Yamasakiアイデンタルクリニック[岡山県]歯科衛生士日本臨床歯周病学会認定歯科衛生士54歳(2016年初診時)、男性  厚生労働省の調査1)によれば、2020年の日本人平均寿命は男性81.64歳、女性87.74歳でいずれも過去最高を更新しており、国際比較では男性が世界3位、女性は世界2位ということで、日本は正真正銘の長寿国であります。人生100年時代と捉え、健康寿命を延伸させることと、患者さんのニーズと将来を見据えた治療計画を立案し技術を提供することが今後の日本の歯科医療において求められるのではないかと感じています。 今回報告する患者さんは重度歯周炎に罹患しており、全顎的に治療が必要でした。良好な口腔内を維持できる期間を考えると、治療費の制約があるなか、どの部位の治療を優先的に行うのがよいのか、どのような治療を提案しマネジメントすることが望ましいのか慎重に検討する必要がありました。治療の成否で患者さんのその後の人生が変わるからこそ、将来を見据えた予知性のある歯周治療を行うことをチームで目指しました。その[監修委員(50音順、敬称略)]雨宮 啓/吉田 茂/高井康博 (日本臨床歯周病学会)なし広告会社の営業職妻と2人暮らし。嫁いだ長女は近所に住んでいる真面目、控えめ、穏やか70最適な治療計画立案を目指して連携した一症例Case Presenter山﨑瑞穂Case 6患者のニーズと将来を見据えて予知性のある歯周治療を目指すCase Presentation

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