Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2021年No.1
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Kesling HD. Coordinating the predetermined pattern and tooth positioner with conventional treatment. Am J Orthod Oral Surg. 1946;32(5):285-293. Lou T. An historical overview of clear aligner therapy the evolution of clear aligners. https://www.oralhealthgroup.com/features/an-historical-overview-of-clear-aligner-therapy-the-evolution-of-clear-aligners/(2021年9月6日アクセス). Kesling HDは米国の矯正歯科医で、矯正装置・トゥースポジショナーの開発者として知られている(自身の矯正歯科治療はBeggによるライトワイヤーテクニックから影響を受けており、Beggの著書で執筆もしている)。トゥースポジショナーはブラケット矯正治療の最後に保定の目的で用いられるゴム製のマウスピース型装置で、材質上薄く作れないためにかさばり、常時着用の難度が高いものの、現在のアライナー装置と同じ上下顎歯列全体の歯冠と歯頚部の歯肉を覆うデザインとなっている。1946年にKeslingが述べたトゥースポジショナーをステージ別に付け替えて歯を移動させるコンセプトは、現在のクリアアライナーに受け継がれている。参考文献  Kesling HD. The philosophy of the tooth positioning appliance. Am J Orthod Oral Surg 1945;31(6):297-304.  アライナー表面にコンポジットレジンを用いて設置される楕円形あるいは長方形をした突起で、歯とアライナーの適合を強化する目的で設置するパッシブなもの(=矯正力が生じない。「通常アタッチメント」など※)と、矯正力の作用点・方向・量をコントロールできるアクティブなもの(=矯正力が生じる。「最適アタッチメント」※など)がある。後者の表面は、矯正力とそのコントロールのために傾斜(「アクティブサーフェス」など※)をもつが、その形状は各患者の歯の形態に応じて(多くは治療計画を行うソフトウェアによって)設計・設置される。なお形状などは今後のアライナー技術の発展によって変わる可能性がある。参考文献  Sandra Tai (著),五十嵐 一,森本太一朗,長尾龍典(監訳).アライナー矯正歯科治療.東京:クインテッセンス出版,2020.Harold Dean Kesling(1901-1975)Journal of Aligner Orthodontics | 2021 vol.1 issue 1Invisalignの例。ソフトウェア上のアタッチメント(左)と、実際に設置されたアタッチメント(右)。「G3」「G7」との記号は、ソフトウェアのバージョンが新しくなるたびアタッチメントの設計の種類が増えていることを示している。100最適アタッチメント(G7)最適アタッチメント(G3)楕円形通常アタッチメント長方形通常アタッチメント※編集部注:いずれもメーカーによって名称が異なる。写真提供:岡野修一郎先生[東京都・Aligner Studio]日本版オリジナルページ 論文・症例を読み解くためのアライナー・キーワード(2021年1号)COUCHAT et al監修:岡藤 範正[松本歯科大学歯学部歯科矯正学講座]Keslingのコンセプト Kesling’s concept [17ページ]アタッチメント / エンゲイジャー / ボタン※ attachment / engager / button [26ページ]

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