Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2022年No2
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Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2022 vol.2 issue 2Junji Sugawara, DDS, DDSc Director, Department of IDT, Sendai Aoba Clinic, Sendai, Japan; and Visiting Clinical Professor, Division of Orthodontics, Department of Craniofacial Science, School of Dental Medicine, University of Connecticut, Farmington, CT, USAKenji Ojima, DDS Director, Hongo Sakura Orthodontic Clinic, Tokyo, JapanChisato Dan, DDS Associate Director, Hongo Sakura Orthodontic Clinic, Tokyo, JapanHiroshi Nagasaka, DDS, DDSc Director, Department of Oral & Maxillofacial Surgery, Sendai Aoba Clinic, Sendai, JapanCorrespondence to: Dr. Junji Sugawara, 1-31-5F Hasekura-machi, Aoba-ku, Sendai 980-0824, Japan E-Mail: j.sugawara@sendai-aoba.comキーワード アライナー、Ⅲ級不正咬合、ディテーリングとフィニッシング、術後歯列矯正、スケレタルアンカレッジ、サージェリーファースト SFは、顎変形症を治療するための革新的な外科的矯正アプローチである。SFでは術前矯正治療は完全に省略され、OGSによる骨格性不調和の改善が最初のステップとなる。OGSによって、上下顎の顎間関係は治療の初期段階で左右対称な骨格性Ⅰ級に改善される。OGS後は、新たな歯性の問題をともなう骨格性I級不正咬合を、術後矯正治療によって改善することとなる。 著者らは、スケレタルアンカレッジシステム(以下SAS)を併用した初のSF症例を2009年に報告した1。そして、その後9年間においてSFに関する多くの論文報告がなされた2-8。それらのSFに関する報告には、著者らが報告したのと同じ方法に関するものもあれば、類似した別の方法に関するものも認められた。 従来法、すなわち術前矯正治療を行う方法と比較したSFの主な利点は以下の通りである。・OGS後、顔貌が早期に改善される・総治療期間が大幅に短縮される・口唇圧と舌圧の生物学的効果によってディコンペンセーション※が効率的かつ効果的に行われる39菅原準二、尾島賢治、檀 知里、長坂 浩 サージェリーファースト法(以下SF)では、術前矯正治療を行わず、顎矯正手術(以下OGS)による骨格性不調和の改善が最初のステップとなる。その後、複雑な歯性の問題をともなう不正咬合を改善するために術後矯正治療を行う。近年では、SFの術後矯正治療において、固定式矯正装置ではなく審美性と快適性に優れたアライナー型矯正装置が新しく選択肢として加わりつつある。本報では、SFを適用した骨格性Ⅲ級のある成人男性に対し、OGS後に短期間の固定式矯正装置を経て、ディテーリング(細部調整)およびフィニッシング(仕上げ) ➡112ページ参照 のためにアライナーを用いた矯正歯科治療を行ったので、その診断および結果について報告する。菅原準二症例報告緒言サージェリーファースト法におけるディテーリングとフィニッシングを目的としたアライナーの適用

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