Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2022年No3
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7日6日5日4日3日2日1日6時間7日6日5日4日3日2日1日6時間初診時初診後第1週◦疼痛◦発音障害◦食事中の不快感◦軟組織の褥瘡や潰瘍の形成◦自宅での口腔衛生の難度◦舌位の制限◦鎮痛薬の服用量12時間装置調整のための来院時から1週間◦疼痛◦発音障害◦食事中の不快感◦軟組織の褥瘡や潰瘍の形成◦自宅での口腔衛生の難度◦舌位の制限◦鎮痛薬の服用量12時間Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2022 vol.2 issue 3装置で治療可能な同程度の不正咬合(叢生<5mm、臼歯関係がⅠ級あるいは軽度のⅡ級)を呈していた。そこで、患者は治療選択によって固定式唇側マルチブラケット装置治療群(以下BKT群)と、アライナー型矯正装置治療群(以下CAT群)の2群に分けられた。 本研究では、経過観察期間が終わり完全な記録を提示できた患者40名を最終サンプルとした。BKT群の患者は20名(男性8名 女性12名、平均年齢19.4±4.4歳)、CAT群の患者も20名(男性9名 女性11名、平均年齢23.8±4.4歳)であった。治療初日、BKT群はボンディング直後、CAT群(T0)はアタッチメントを設置した直後に、「疼痛」「耐えがたさ」「疲労感」のレベルについて3つの視覚的評価スケール(VAS)に記入するよう依頼した。VASは、100mmの水平線の左端の目盛りを0(疼痛なし)、右端の目盛りを100(最大の疼痛)としている。患者は診察開始前にVASの記入を行うよう指示された。 その後(T1)、患者には「疼痛」「発音障害」「食事中の不快感」「軟組織の褥瘡や潰瘍の形成」「自宅での口腔衛生の難度」「舌位の制限」について値を測定するため、VASが記載されている記録帳が渡された。記録帳に図1 各時点における記録項目。訳注:MBTブラケットとは、3名の歯科医師M(McLaughlin RP)、B(Bennett JC)、T(Trevisi H)が考案した治療テクニックを行うために必要なトルクやティップをもつブラケット。現在は前者の2名が技術やブラケットのアップデートを手がけている。https://mclaughlin-bennett.com/41唇側マルチブラケット装置とアライナー型矯正装置における疼痛と不快感の比較は鎮痛薬の服用量を問う項目も記載されている。 患者には、初診から6時間後、12時間後、その後の1週間毎日就寝前、記録帳に記入するよう指示した(記録時点は合計9点)。また装置調整のための来院(T2)後、つまり最初のアーチワイヤー(BKT群の場合)を変更した後に再度同じ記録帳を渡した。装置調整のための来院日は治療開始から平均2か月であったため、CAT群の場合は4回目のアライナー装着時にあたる。本研究における記録時点と項目を図1にまとめた。CAT群には、AirNivol社(イタリア・ピサ)から提供されたアライナーを用いた。すべてのアライナーに、計画された歯の移動に応じさまざまな形状と構成のアタッチメントが設置された。必要に応じてアライナーにカット ➡112ページ参照 やプレッシャーポイントなどの補助装置が追加された。患者は1日22時間アライナーを装着するように指示され、15日ごとに交換した。BKT群には、0.022×0.028インチMBT※ステンレススチールブラケット(Mini Sprint、Forestadent社:ドT0◦疼痛◦耐えがたさ◦疲労感T1T2

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