Journal of Aligner Orthodontics 日本版 2022年No3
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LEVEL1LEVEL3LEVEL2LEVEL4LEVEL5LEVEL6上顎臼歯部の遠心移動前歯のトルクコントロール臼歯部の挺出前歯の圧下前歯のトルクコントロール臼歯部の挺出前歯の圧下Journal of Aligner Orthodontics 日本版 | 2022 vol.2 issue 31.矯正装置を装着しやすい マルチブラケットを用いた矯正歯科治療では、咬合の深い前歯部へのブラケット装着が難しいことがあったり、矯正装置が咬合する歯と接触するため装着自体が不可能という場合がある。臼歯部にレジンなどを盛って咬合高径を上げることでブラケットの装着が可能にはなるが、この方法では咬合時に臼歯部のみが接触し、小臼歯、犬歯、前歯は咬合しなくなってしまい、食事などに支障が出てしまう。 アライナー型矯正装置を用いた場合は、咬合が深くても装着可能であるため、装置に組み込まれた矯正力を十分に発揮することができる(図2)。図1 過蓋咬合症例の治療レベルの分類。2.咬合高径を上げる効果がある Invisalignアライナーの厚さは約0.5mmであるため、上下の歯列に装着すると、咬合高径が約1mm程度上がることとなる。過蓋咬合の患者では、装着しただけで若干の改善を目で確認することができるため、その後の装置の装着も受け入れられやすい。なおInvisalignシステムでは、バイトランプを上顎前歯部舌側のアライナーに設置することで、さらなる咬合高径の挙上を行うことができる(図3)。3.アライナーの適合が良くなる 咬み合わせが深いと、装着したアライナーへ対合歯列から咬合力が強くかかるため、アライナーの浮きなどのアンフィットがなく、しっかり歯に適合させることができる(図4)。4.顎関節治療に有効である 過蓋咬合症例では、咬み合わせが深いことで下顎が後方に押し込まれたために、患者から顎関節の不調を96日本版オリジナルページ前歯の圧下易しい       ➡ 難易度 ➡       難しい臼歯部の挺出前歯の圧下小臼歯の抜歯前歯のトルクコントロール臼歯部の挺出前歯の圧下顎関節治療前歯のトルクコントロール臼歯部の挺出前歯の圧下過蓋咬合におけるアライナー矯正治療の利点 過蓋咬合に対するアライナー矯正治療は、以下の6つの理由からマルチブラケット矯正治療よりも有効な部分が多く、汎用性が高いと著者らは考えている。

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