nico 2017年11月
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Questionフッ素入りの歯みがき剤ってむし歯予防にいいそうですけどフライパンみたいに表面加工するって感じですか?Patientフッ素には、大きく分けて3つの効果があります。それは❶歯の再石灰化を促進すること。❷むし歯菌の活動を抑えること。❸歯質を硬く丈夫にすること。フライパンのフッ素樹脂加工とはまったく違う作用なんです。まずはフッ素の働きからご説明しましょう。nswerADoctorッ素とは自然界のなかに広く存在する天然成分で、身近な食品、たとえばお茶、海草、魚介類などに多く含まれています。WHO(世界保健機関)やFAO(国際連合食料農業機関)が「歯の健康に有益」と認め、むし歯予防のために世界中で積極的に使われています。 それではフッ素とはどんな働きをするのでしょう。フッ素の働きは、大きく分けて3つあります。❶唾液のなかに溶け出した歯の成分、カルシウムとリン酸が歯に取り込まれフやすくなり、歯が修復されるスピードが増して、修復される量も多くなる。❷フッ素には抗菌作用があるので、むし歯菌の活動を抑える働きをする。❸フッ素といっしょに修復された歯の結晶は、もとの歯よりも硬い結晶になるので、むし歯になりにくい丈夫な歯になる。 適切な濃度がお口のなかに長く保たれるほど、これらの効果が発揮されるので、フッ素配合歯みがき剤には、こうした効果が発揮されやすい適切な濃度が配合されています。 ところで、日本ではこれまで歯みがき剤は1000ppmF以下のフッ素濃度と定められていましたが、2017年3月に、国際基準(ISO)にのっとった、より効果の高い1500ppmF配合が認められました。1500ppmFといえば、予防先進国のスウェーデンをはじめとする諸外国の歯みがき剤と同じ濃度です。さっそく国際基準の高濃度フッ素配合製品が販売されていますので、ぜひ店頭や歯科医院のカウンターで手にしてみてくださいね。あらためておさらい!フッ素の効果。フッ素の効果は、歯を硬く丈夫にするだけではありません。再石灰化(歯の修復)を促進するうえ、むし歯菌の活動を抑制します。フッ素のトリプル効果で、むし歯を予防しましょう!ライオン 快適生活研究所 オーラルケアマイスター/学術博士 平野正徳12

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