nico 2018年3月
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バコが「歯にも悪い」ことをご存知ないかたは意外に多いかもしれません。というのも、明らかなデータが出たのは2000年頃。からだへの影響の研究に比べ最近のことだからです。 とはいえ、タバコの口への害は、多くの歯科医師がずっと感じてきたことでした。いうまでもなく、タバコは「口」で吸います。煙の有害物質が直接当たる口は、タバコの害をダイレクトに受けやすいのです。とくに目立つのが、前歯の裏の歯ぐきや上あご(口蓋)へのダメージです。 全身的な影響も深刻です。口や肺から吸収された有害物質が血流に乗って全身に運ばれると、細菌と戦いからだを守る免疫細胞の元気がなくなりますし、血流も悪くなります。 つまりタバコを吸うと、口は直接・間接のダブルパンチで有害物質の影響を受けるのです。また、禁煙後も他の臓器と比べて、その影響を長く引きずりやすいこともわかっています。将来、歯を失わないためにも、ぜひ若い頃から禁煙しましょう!「腫れてないから大丈夫」とだまされてはいけません。タバコを吸う歯周病の人のお口は?タバコを吸わない歯周病の人のお口は?プラークがくっつきにくく歯ブラシで除去しやすい。免疫細胞が元気で細菌とさかんに戦う。炎症が起こると歯ぐきが腫れるので、歯周病の進行を見逃しにくい。治療後の治りも早い。免疫細胞に元気がなく細菌と戦わないため重症化しやすい。歯ぐきが硬くなり炎症で腫れにくく見逃しやすい。治療後の治りも遅い。ヤニのベトベトにプラーク(細菌のかたまり)がくっつき、それが歯石に。タバコを吸うと歯石が増えるので歯周病のリスク増!ところが!喫煙者では、タバコの有害物質の影響で歯周病が進行しやすくなります。歯周病が進行しても、見た目には腫れや出血が少ないのが喫煙者に特有の歯ぐき。ロール状に厚くなり、ハリがあるようにすら見えます。でも、腫れや出血が少ないのは、タバコに含まれる有害物質のために歯ぐきが硬くなるから。血管が収縮して血流も悪くなるので赤くなりにくいのです。そのため歯周病の重症化を見逃しやすいというわけです。ロール状の厚みがある一見ハリがあるように見える歯周病なのに腫れや出血が意外と少ないタタバコを吸う人の、歯周病になった歯ぐきを見てみよう!40

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