nico 2018年9月号
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―具体的に、どんな変化が起きるのかお教えいただけますか?池山 脳の認知機能が変化することがわかりました。化粧療法を継続したかたと化粧療法をしなかったかたとを3ヵ月後に比べると、化粧療法を継続したかたのほうが、認知機能の低下がゆるやかだったのです。―たしかにだいぶ違いますね。池山 左下は、化粧療法を受けているかたの脳の画像です。アロマジェルとスキンケアのときはリラックスして落ち着いており、メイクをはじめるとおおいに活性化しています。この画像は顕著な反応を示している例ではありますが、こうした化粧療法による刺激が脳に鎮静と活動をもたらして、認知機能によい影響を与えていると考えられます。認知機能が活性化!化粧療法で日常の動作に変化が!Shirato M., Machida A., Kanemaru C., Nagai S., Takata S. : Physical and mental eects of cosmetic therapy for the elderly, The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists (IFSCC 2012), Abstract, 43-44, Proceeding No. 036, 2012.3ヵ月間の化粧療法で日常動作が改善した人(延べ人数)リラックス活性化!アロマ&スキンケア中の脳メイク中の脳認知機能の低下を抑制!自分で管理できる食事みだしなみからだを拭く着替え・上着替え・下トイレ動作1316111077乗り移りができるベッド・椅子・車椅子トイレ浴槽・シャワー13128コミュニケーションできる理解表現810排泄のコントロールができる排尿管理排便管理1412移動できる車椅子・歩行階段1152011〜2013年に5施設(特養、老健、長期療養)で3ヵ月間化粧療法を行い、自立度がアップした日常生活動作項目について、該当の延べ人数を積み上げた。63人中37人が自立度がアップ。1人で複数項目アップしたかたもおり、驚きの結果に。BIO Clinica 31 (4), 2016.10152005(人)他者の行動や気持ちに反応できる社会的交流問題解決記憶736テスト前3ヵ月後特別養護老人ホームで80~101歳の要介護女性を対象に調査。月2回の「いきいき美容教室」と、自身で毎日スキンケアを3ヵ月続けた結果、化粧療法をしなかったかたに比べ、認知機能の低下が抑制されていた。Adv Exp Med Biol. 876: 289-295, 2016.認知機能スコアの変化01-1-2-3-4* Mann-Whitney’s U-test, p<0.05化粧療法を継続した(n=7)化粧療法をしなかった(n=8)412018年9月号

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