nico 2018年10月号
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 北欧のスカンジナビア半島に位置するスウェーデン。いまでこそ予防歯科の先進国として知られる同国ですが、昔は日本と同じように、むし歯や歯周病に悩まされる人が多い国でした。 しかし1970年代から国を挙げて「予防歯科」を推進するようになり状況は一転。20歳未満への歯科治療の無料化や、定期受診の啓発、むし歯や歯周病予防についての教育の推進といった取り組みの結果、国民の歯の健康状態は著しく改善しました。現在、12歳児のむし歯経験数は0.8本と、世界トップクラスです。 スウェーデン人のオーラルケアの意識は高く、歯科医院での定期的なメインテナンスの受診率は約8~9割。事故で歯をけがしたなどの場合以外は、駆け込みで歯科受診をすることはあまりありません。また、デンタルフロスの使用率は5*6割以上となっています。国を挙げて予防歯科を推進!スウェーデン人の歯の健康は?70歳で残っている歯の本数の比較12歳児のむし歯経験数の比較(2011年)スウェーデンの歯科医師数と歯科衛生士数* 2 Hugoson Anders, Koch Goran, 2008.* 3 厚生労働省 平成17年度歯科疾患実態調査, 2005.(無歯顎者を除く)* 4 8020財団 データバンクより* 5 Council of European Dentists, 2015.* 6 ライオン, 日本・アメリカ・スウェーデン 3カ国のオーラルケア意識調査 Vol.2, 2014.スウェーデンスウェーデン日本日本スウェーデンでは総入れ歯の人はほとんどいません。12歳児の1人平均DMFT指数(むし歯になっている歯+失った歯+治療した歯の本数)を比較しています。16.5本21本0.8本*4*2*31.4本歯科医師数※日本は約10万人。患者あたりの歯科医師の人数は、スウェーデンでは約1320人に1人、日本では約1270人に1人。約7,500人歯科衛生士数※日本は約11万6000人。患者あたりの歯科衛生士の人数は、スウェーデンでは約2600人に1人、日本では約1100人に1人。約3,800人*5*5412018年10月号

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