nico 2019年5月号
4/8

接指導させていただいている選手たちだけでなく、多くのアマチュアアスリート、たとえば、部活で頑張っているお子さんや学生さん、その保護者や指導者のかた、そして仕事や家事のかたわらスポーツを楽しんでいる大人のみなさんにもぜひ知っていただきたいと思っています。 もちろん私が日ごろ歯科指導をしている選手たちは、自己管理能力の点でも非常にすぐれたかたばかりです。歯科がメディカルチームに加わって、「すこやかなからだの源は、お口から摂取するエネルギー」であること、そのためには「お口の健康は必須条件」「運動能力を最大限に発揮するには歯の健康が欠かせない」とレクチャーすることで、多くの選手のお口の環境がめざましく改善していることも、選手たちの名誉のため強調しておきたいと思います。 お口の健康を守るには、まず「知ること」です。みなさんも、ぜひアスリート特有のリスクを知って、歯を大切にしていきましょう。(男子242名・女子248名の平均数値)2010~18年バレーボール日本代表選手のむし歯なぜアスリートはむし歯になりやすい?未処置のむし歯代表男子2.9本11.1本代表女子1.7本10.5本むし歯経験歯数原因疲れと空腹で糖分をとりがち。間食(飲み物を含む)は1日3回以上になるとむし歯のリスクが上昇。原因練習が忙しく、オフは休養が優先。歯科にかかるのがあとまわしに。原因激しい運動で口呼吸が多いため唾液が乾き、唾液による歯の再石灰化作用(むし歯になりかかった歯の修復)が働きにくい。原因スポーツドリンクの酸が歯を溶かしてしまう(→14〜15ページ参照)。「国立科学スポーツセンター派遣前チェック歯科健診」より東京医科歯科大学大学院スポーツ医歯学分野 上野俊明先生一般男性1.0本4.3本一般女性0.6本3.8本原因汗をかいて唾液の分泌が減ると、唾液のもつ歯の再石灰化作用が働きにくい。原因練習で疲れてヘトヘトになると就寝前の歯みがきがおろそかになりやすい。*British Journal of Sports Medicine 2013;47(16)112019年5月号

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る