nico 2019年6月号
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――専門的な知識をお持ちの先生がたが、市内にそんなにおられる?千葉 ええ。きっかけは、私が市長だったとき、東京歯科大学市川総合病院に口腔がんセンターができたことです。大学、市川市歯科医師会と行政の協力で、市内の歯科医師向けに研修コースを設けることになったんです。口腔がんは希少がんといわれ、ふだんの診療で開業医が口腔がんの患者さんに出会うことは少ないですが、「がんの発見は歯科医師の責務じゃないか」とね。――それは、心強いです。千葉 内容も本格的で、大学で月1回、講義や実習を受けるのです。専門知識と修了証をもつ歯科医師が続々市内に誕生し、おかげで市民が近くの歯科医院で口腔がん検診を個別に受けられるようになりました。千葉 ただ、「診療のかたわら月1回の受講は難しい」「継続的に勉強がしたい」という声もありました。そこで「大学の先生がたが研修コース用に構築してくださったプログラムをe-ラーニングにしたら」、というプランが持ち上がったんですよ。――それが、現在のNPO法人「口腔がん早期発見システム全国ネットワーク」につながった?千葉 そうです。e-ラーニングなら、市川市だけでなく、全国の歯科医師・歯科衛生士にも使ってもらえます。自宅や医院のPCでも、スマホでも勉強ができる。医院で入会すれば歯科衛生士さんも勉強できます。医院のスタッフみんなで勉強してもらえればと考えました。――それはいいですね!千葉 現在は、ずっとご尽力くださっている先生がたとNPO法人を立ち上げ、開業医の研修向けに工夫された教材をe-ラーニングとして配信し、口腔がん検診医の養成を推進しています。 それと併行して、実習セミナーを開催したり、各地域の歯科医師会からのご要望があれば講演会や講習会も行っています。市川市の口腔がん検診を支える大学・地元歯科医師会・行政の連携 e-ラーニングでいつでも受講可能に!口腔がん早期発見の啓発運動が盛んな市川市。市内を走るバスにもこのポスターが。大学病院の歯科医師市川市歯科医師会市川市の行政東京歯科大学口腔がんセンター、市川市歯科医師会、市の行政が共同で「口腔がん検診医養成研修コース」を創設。勉強を継続する歯科医師のいる指定歯科医院で、市民の口腔がん検診(個別)が行われています。千葉県千葉市市川市市民の口腔がん検診392019年6月号

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