nico 2019年9月
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口腔がんのリスクのあるお口の状態とはどのようなものでしょうか。歯が舌やお口の粘膜にぶつかるほかにも、意外な原因が……!お口のリスクを放置しないで!Questionなるほど!口腔がんがどのようにできるかよくわかりました。それで先生、口腔がんになりやすいお口の状況ってどんなものなんでしょうか?Patient 一方、化学的な刺激とは、食品の添加物や人工材料の影響も考えられますが、歯周病が関与することもあります。歯ぐきが腫れたり、出血したりする歯周病は、お口のなかに細菌感染による炎症が起きている状態で、その炎症がお口の粘膜への刺激となるのです。 口腔がんは慢性的な刺激が原因で発生することが多いため、発症する前にこうした物理的、あるいは化学的な要因を発見し、取り除くことが大切です。 お口の粘膜は、加齢によって弱くなりますが、食生活や生活習慣の影響も受けます。ビタミン不足や栄養の偏りのほか、とくにお酒やタバコが粘膜を弱くさせます。粘膜が弱ると口内炎にもなりやすくなります。 日本人の喫煙率は減ってきているものの、それでも米国の10%弱と比べれば男性は30%弱と高い状況です(ちなみに、辛い食べ物には口腔がんとの関連は報告されていません)。お口のなかで「慢性的な刺激」を受ける場所ほどリスクが高いです。口腔がんを予防するにはそうしたリスクのある場所を放置しないのが重要です。お口を清潔に保つのももちろんだいじですよ。nswerADoctor 口腔がんになりやすい場所は、お口のなかで「慢性的な刺激」を受けている場所です。刺激には、物理的なものと化学的なものがあります。 物理的な刺激とは、歯が傾いていて舌やお口の粘膜にぶつかる、くちびるや舌を噛んでしまう、被せ物や入れ歯が当たるなどです。重度のむし歯が絶えず当たる粘膜が褥じょく瘡そう、つまり床ずれのようになり、口腔がんになったという報告も聞かれます。「慢性的な刺激」がリスクになります。お酒やタバコは粘膜を弱くさせる。18

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