nico 2019年11月号
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ぐきを切り開いてめくり、歯の根を露出させてから、外から行う歯周基本治療だけではポケットが深くて除去し切れなかったプラークや歯石を、内側からも徹底的に取り除きます(フラップ手術)。その後、再生材料が付着しやすいように歯の根の表面を処理してから、エムドゲイン®ゲルを塗布します。シリンジでジェルを歯の根の下から上へと塗りつけます。度の歯周病になっていた状態から、患者さんの歯みがきの改善や、歯科での歯周ポケット内の歯周基本治療(P.11参照)で可能な限りプラークや歯石を取り除きました。13ページの図と比べるとある程度炎症が治まっていて、歯ぐきの腫れが引いているのがわかりますね。この段階になってはじめて、歯周組織再生療法に進むことができます。2再生材料を塗布1治療前重歯プラークや歯石腫れが治まった歯ぐき失われた組織CHECK!ほかにもあります。再生療法の手法再生材料 (エムドゲイン®ゲル)●リグロス®遺伝子組換えヒトbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)を用いた歯周組織再生医薬品。ジェル状で、欠損部を埋めるように充填します。血管を新しくつくる力が高く再生促進作用に優れるため、近年利用が広まっています。2016年に発売された保険適用の薬剤です。●GTR法薄い膜を利用した再生療法は、GTR法と呼ばれます。Guided Tissue Regeneration(歯周組織再生誘導法)の略で、薄い膜を被せて、歯根膜とセメント質、あごの骨が再生するあいだ、再生した歯ぐきがそのスペースに入り込まないようにします。リグロス®(科研製薬株式会社)血液歯ぐきの侵入を防ぐ膜歯ぐきの腫れがある程度治まった状態。歯ぐきを切り開いて再生材料を塗布します。152019年11月号

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