nico 2019年12月号
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口臭には生理的なものと病的なものがあります。からだの病気が発するにおい物質が血液に乗って肺に至り呼気として吐き出されるというのは、そうとう病気が進行した状態です。また、「食べ物のにおいが胃から上がってくる」というのも、食道と胃の境界には括かつ約やく筋きんがあるため、ふつうはにおいの通り道は閉じられています。ですから、強い口臭の原因としてまず疑われるのは、お口のなかなのです。 実際、当院の口臭外来でも、患者さんに口臭検査を行って「客観的な口臭がある」と判断された場合、まずはお口の病気の有無を確かめます。「歯周病など、お口の病気はあるか?」を検査してから、「耳鼻咽頭の病気はあるか?」「からだの病気はあるか?」を診ていきます。 先ほどの「口臭白書2019」によれば、日本人の平均歯みがき回数は1日2・2回でした。口臭は読んで字のごとく「口の臭い」なのですが、歯みがきは毎日しているという意識のあるせいか、においの原因がじつはお口のなかにあるということを意識していない人が多いようです。からだ本来がもつ生理的なもの健康な人にも存在するにおい。1日のうちで増減します。(13ページ参照)鼻炎など耳鼻咽頭の病気によるもの副鼻腔炎や扁桃腺炎、中咽頭のがんなどが原因。お口とつながっているため、においが口から出てきます。歯周病などお口の病気によるもの歯周病やむし歯になった歯、舌の汚れやみがき残したプラーク(歯垢)がにおうことも。胃腸・肝臓などからだの病気によるもの糖尿病や、肝臓、腎臓、胃の病気などが原因。におい物質が血液をめぐって肺から息へ。においの強い食べものなどによるもの食べたものの成分が一時的に口から、あるいは肺からにおいます。一時的持続的歯科で診てもらいましょう!112019年12月号

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