nico 2020年1月号
3/8

硬くて強い人工の被せ物。でもそれを支えているのは患者さんの天然歯。被せ物の治療の寿命は、この土台の歯にかかっています。被せ物を支えているのは患者さんの天然歯。Questionえ?被せ物って、つくり物の歯だからもとの歯より強いんですよね?Patient目にさしつかえが出るため、もとの歯の機能と形を人工的に復元しようという治療です。 被せ物の治療というと、ふだん見えているところにばかり目が行きがちですが、じつはその耐久性を決めているのは、歯ぐきの下(歯を支えている骨のなか)に隠れている「患者さんご自身の歯の根っこ(歯根)」です。 左ページの被せ物の構造図をご覧ください。被せ物の下の見えないところで、患者さんご自身の歯が働いていることがおわかりになると思います。 被せ物の治療とは、細菌に感染した部分を除去し、かろうじて残った患者さんの歯を土台にして、はじめて可能になる治療法。もちろん被せ物自体は一定の耐久性を備えていますが、それを支える土台の歯は、ケアを怠るとむし歯や歯周病になってしまいます。 この特集では、ふだんあまり注目されない土台の歯にスポットライトをあて、被せ物の治療を長持ちさせるコツをお教えしましょう。とんでもない。被せ物の治療でつくり物なのは、かぶせてある被せ物と芯棒くらい。もっとも重要な役割を担う土台は、むし歯を除去してなんとか残せた患者さん自身の天然歯です。じつは被せ物の治療の寿命は、この土台の歯の耐久性次第。土台の歯を大切にして治療を長持ちさせていきましょう!nswerADoctorせ物の治療が終わり、きれいな人工の歯が入ると、「これでもう歯科医院にしばらく通わずにすむな」と思うかたは多いと思います。人工の被せ物が入り「歯が強くなった」、と考えるかたもなかにはおられるようです。 でもこれ、じつは大間違いです。その理由は、被せ物の治療の仕組みにあります。 被せ物の治療は、むし歯ができたり歯をケガしてしまったときに、そのままでは食事やおしゃべり、見た被12

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る