nico 2020年2月号
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 歯科ではじめて注射を受けると、内科の注射とだいぶ違うなと驚くかたが多いと思います。 歯科で行う麻酔にはいくつかバリエーションがありますが、なかでも患者さんの多くが経験しているのが局所麻酔(部分麻酔)の代表格、「浸潤麻酔」という麻酔注射でしょう。 浸潤麻酔の場合、その痛みには大きく分けて3種類があります。❶針を歯ぐきに刺すときのチクリとする痛み。❷刺した針をさらに奥に進める痛み。❸麻酔液をグーッと注入する痛み。 ❶と❷は、内科の注射でも感じる痛み。歯科で特徴的なのが、❸の麻酔薬を注入するときの、強く押されるような鈍い痛みです。 これは、歯を支える骨にピタリとくっつきパリッと張っている歯ぐきの下に麻酔薬を注入するときに起きる「圧迫痛」です。腕の皮膚のような伸縮性がない歯ぐきには、麻酔薬ゆっくり注入するのはよい歯医者さんです。ふつうの注射と違って、歯科のはグーッと押されるようなにぶい痛みがあってつらいですね。Q歯医者さんの麻酔の代表格です。歯を削るとき、神経を取るとき、歯を抜くときなどさまざまな治療で用いられている局所麻酔(部分麻酔)です。麻酔を効かせたい場所の近くに麻酔薬を注入し、歯を支える骨へと浸み込ませ(浸潤させ)て神経に届かせます。大きな奥歯や、麻酔が効きにくい場合には、何本か注射することもあります。浸しん潤じゅん麻酔骨に浸みこませて効かせる●同じ理由で、あごの骨が丈夫で ガッチリしているかたは効きにくいです。●下あごの奥歯は、周りの骨が 厚くて硬いので効きにくい場合も。MEMO●効きにくいときは、歯根膜注射や 伝達麻酔(→左ページ)も併用します。骨に浸み込ませる神経麻酔液をグーッと注入する際、押されるような痛みが出やすい。42

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